変わる。

何気ない過去の記憶を突然思い出すことがある。いつもふとした瞬間にだ。
思い出そうとしても出てくる記憶ではない。
無意識にしまいこんでいたものがあるのだと思う。


胸に響いた言葉や、楽しかった思い出が突然降りてくる。


それがどうしたなんて自分にはわからない。
ただ、それがその記憶たちが今の自分を作っているのだと思う。


昔からとても不器用だった。
大口を叩く割にはいざとゆう時に身体が動かなくなる。
高校時代にまぐれで決勝に行った時も試合の前から勝負はわかっていた。


「勝てるわけがない」


もう既に結果を自分で決めていた。


悪い癖だ。


県でたった二人しか立てない決勝の場にいたのに、それでも自分を信じることができなかった。


「あんなのまぐれだ」
「運が良かっただけだ」


それなりの結果を出してもまだ自分を認められなかった。


当時好きな女がいた。
そいつは決勝で自分に勝ったやつと付き合っていた。
それを見てもまた、自信をなくしていた。


競争が向いていないのだろうか。
実力がありながらも頂点に立てなかったのは全て自分が決めていたのだと思う。
いつも楽な方に逃げて誤魔化してばかり、そんな自分がずっと嫌いだった。


いつもだ。どんな時もだ。
ここぞという時にいつもチャンスを逃す。
目の前に、すぐ目の前にチャンスが来ているのにいつもビビって逃げてばかりだ。


ホントにクソだと思う。


いろんな面で自分を否定している。


借金をしているから、もう33歳だから、金がないから、休みがないから、時間がないから、自信がないから、


変わりたいのに変われない。


そうじゃない。


変わらないと決めているのだ。


無意識的すぎて気づかなかったが、多分変わるのが怖いのだと思う。


変わってしまったら、どうにかなってしまう。
変わってしまったら、なにかを失ってしまう。


と、心のどこかで知っているのだと思う。


だけど、もう、そんなの知らない。


否が応でも変わる。


変わる。


俺は変わる。


過去の自分を捨てる。


何が何でも変わる。

 


くそ。